すけだち観劇

copanda2007-08-06

いつもの3人で、あやや主演舞台「すけだち」を観てきましたよ。
新宿駅からコマ劇場へ向かう道々、思い出すのは「リボンの騎士」のことばかり。去年の夏は楽しかったなぁ。8回も観に行ったなぁ。何度観ても感動したなぁ。
で、「すけだち」はというと、天下のあやや様を、なんでこんなにもったいない使い方をしているんだよ、というのが淑女の総意。
物語は荒唐無稽であってもいいし、展開が強引であってもいいし、どれだけご都合主義でもかまわないけど、松浦亜弥という天才に、なぜこういう仕事をさせるのか、まったく理解できず。あややの才能に惚れている者としての唯一の救いは、あややの歌が聴けること。それも、ポップスを歌ういつものあややではなく、劇中歌として、人物の心情を語り聴かせる芝居の歌になっていました。これはすごかった。
では感想をざっくり。ネタバレありです。

鎖鎌戦士ザクザクムーン

あややの役どころは、「鎖鎌(くさりがま)戦士ザクザクムーン」という少女戦士を演じて人気を博しているアイドル神崎ひかる。月にかわってお仕置きをする人たちを思わせるキャラクターですが、決まり文句もたいへん似ておりまして、「月にかわってザクザクよ」でした。
鎖のついた鎌を武器に、「ムーン・スティーブン・セガール・アタック」とかいう攻撃を繰り出し、♪エロいおやじはザクザクしちゃう〜とか歌い出すので、淑女3人はボー然。
あややに鎌を持たせるセンスが理解できないのは、コパンダがハロヲタだからでしょうか。美少女戦士の武器が鎌、というミスマッチなギャグに笑えないのは、コパンダが加齢なせいでしょうか。いやそんなはずはない。面白くないよそのセンス。
全編通して笑わせどころ満載でしたが、このようにたいへんベタな仕掛けなので、一部を除いてまったく笑えませんでした。その一部は後述。

あややの奮闘

しかしながら、あややは精一杯取り組んでいるはずです。
2幕の♪孤独の中〜と歌い出す曲とか、ラストの大団円の曲とかはさすがです。一般のお客さんたちもきっと、「へぇ〜、あややって、こんなに歌が上手いんだ」と思ったのは間違いないです。
取り組みの真剣さは歌う姿でも感じましたが、田舎に残してきた母親に対する心情のモノローグとか、家族を捨てた父親への思いをぶつける筧さんとのせりふでも気合いを感じました。母親ものには弱いコパンダは、あややのせりふにちょっとだけ泣きそうにもなりました。が、それまでの展開があまりに退屈ですし、いつもの岡村流演出には飽き飽きなので、泣くに泣けません。
でも、あややを中心にみんなで歌う♪ありがとうさようなら〜というラストの歌がそれなりに感動的ですし、出演者のみなさんの表情もいいので、最後は惜しみなく拍手を贈ることが出来ました。

あややの演技

あややあやや、でした。衣裳のせいもあって、時々あやンツに見えなくもない。
ハローでいちばん舞台向きなのは、あややよりもやっぱり梨華ちゃんだ、という感想は「リボン」のときから変わりません。あややは映像のほうが合っていると思うけど、それもポップなものではなく文学的なもののほうがいいと思う、という感想も変わりません。だから、今回の作品みたいなのは、あややの魅力が存分に発揮できるタイプのものではないと思うのです。
せっかく今回、演劇界のホープである北村有起哉さんに出ていただいているんだから、もっと小さい劇場で文学性の高い作品をあややと2人でやってくれたらいいのになぁと、商売的にはダメなことを考えてしまいました。

時東さんとギャル曽根ちゃん

時東さんは器用な人ですね。殺陣もきれいでしたし、せりふの言い方も違和感ありません。あややの「スケバン刑事」を思わせる「スケバンポリス」を演じることになった後輩アイドルで、ヨーヨーを持って「私の時代が来たの」とあややにライバル心を燃やしています。衣裳は、あややスケバンよりも梨華ちゃんのほうに近いボンデージ風。その筋の方たちはお喜びなのでしょうか。
この作品で唯一笑えたのは、ギャル曽根ちゃんのシーンです。まわりのみなさんが、岡村流というか、つか流のせりふ回して弾丸のようにまくし立てる中、ギャル曽根ちゃんだけがナチュラルな物言いで、せりふなのかアドリブなのかよく分からない喋りかたが、とても面白く可愛かったです。あたしなんでここにいるんだろう、みたいなポツンとした佇まいが愉快でした。あれだ、ハロコンでコレちゃんを見守るような愉快さです。

客層

昨年の夏の思い出を懐かしみながらコマへ到着すると、客層が「リボン」とはまったく違うのにびっくり。ハローの現場じゃないです。観客の9割くらいが女子。どうも、アンサンブルを含めいっぱい出ているイケメンたちのヲタのみなさんが多勢のようです。
もちろんあややヲタの同志もがんばっているに違いありませんが、装いがモーヲタとは一線を画していると思われ、見た目では分かりません。リュックを背負った時東さんのヲタと思われる見慣れた装いの方々もいましたが、イケメンヲタの女子のみなさんのおかげで、2000人の会場はほぼ満席でした。梨華ちゃんよっすぃ〜の「何日君再来」よりもっと、ヲタ率は低い現場でした。


これくらいで。
そもそもこの舞台、つんく先生の発案らしいので、外部の舞台にあややが出た、というより、外部の方に集まっていただいてつんく先生がやりたいことをやった、ということなのかな。だから、スタッフやキャストは「何日君再来」と共通しているものの、テイストとしては「熱っちぃ地球〜」とかの「リボン」以前のハローのミュージカルに近いです。残念なことです。
コマ劇場を出て、新宿駅に向かう道々、思い出すのは「リボン」のことばかり。去年の夏は楽しかったなあ。